8月の終わりに、28年度(現中2生)以降の高校入試についての改善方針案が、大阪府教育委員会か発表されました。学校やニュースなどでからすでに話を聞いている方も多いと思います。
当塾でも、先日発行した塾内新聞で特集を組みました。
まだ改善方針「案」の段階ですが、気になるその中身についてご説明したいと思います。
① 前期・後期試験を、「特別選抜」「一般選抜」に
今まで前期・後期と2回行われていた試験が、原則3月の「一般選抜」に一本化されます。普通科だけでなく、今まで前期試験で行われていた文理学科などの試験も、一般選抜で実施されます。
<特別選抜を実施する学科>
●音楽科・体育科・芸能文化科・総合造形科といった、実技検査がある学科
●エンパワメントスクール
※エンパワメントスクールとは、一人ひとりの習熟度に合わせて、高1で中学までの内容を復習し、高2から高校の履修科目を始めるカリキュラムが組まれている公立高校です。27年度(現中3生)入試から実施されます。箕面東高校・西成高校、長吉高校の3校が現在指定されています。
② 同一学校内での複数志望が可能
複数の学科がある高校では、学科間で同一の試験問題を使い、第一志望:文理学科、第二志望:普通科といった複数志望が可能になります。
特別選抜は2月中旬~下旬、一般選抜は3月初旬~中旬に実施されます。特別選抜は私立高校の合格発表に、一般選抜は特別選抜の合格発表に重ならないように、出願時期が調整される見込みです。
① 学力検査
原則、特別選抜・一般選抜ともに、国・数・社・理・英の5教科の学力検査を実施。特別選抜では、実技検査や面接なども実施されます。
② 調査書(=内申点)
1) 絶対評価の導入
今まで行われていた相対評価から、絶対評価へ変更になりました。絶対評価は、例えば「テストで95点以上なら10、90点以上なら9…」といったように、それぞれに基準を設けて評価を行う方法です。
2) 中1の成績から内申点に入る(※完全移行は現小6以降)
現在は、中3の時の成績のみが内申点評価の対象でしたが、これからは中1・中2の成績も評価に入ります。(比率は中3・中2・中1の順に3・1・1)
※ただし、経過措置として現中2生の受験の際は中3の成績のみ、現中1生の受験では中3・中2の成績(比率は3・1)のみが評価対象になります。
3) 主要5科目・実技4科目を等しく評価
従来では、実技4科目は当日の試験がないため、内申点での評価を重視する傾向にありましたが、28年度入試からは、9教科とも同等に扱われます。
4) 「活動/行動の記録」の欄を新設
教科の成績だけでなく、部活動や委員会活動、ボランティア活動や取得資格などが、可能な限り具体的に記載されるようになりました。
③ 自己申告書(≒志望動機の作文)
公立高校の受験者全員が自己申告書を書くことになりました。記載内容については、毎年大阪府の教育委員会からテーマが提示されます。(例:中学3年間で学んだこと、3年後の自分を想像する…など)
自己申告書と調査書の「活動/行動の記録」の記載内容が、ボーダーゾーン(合否のボーダーラインの上下合わせて20%)の生徒の中で、各高校が求める生徒像に合致した場合、優先的に合格の対象になります。
この改善方針はあくまで「案」であり、正式決定は11月の教育委員会会議で行われる予定です。
正式発表があり次第、またこのブログでお伝えいたします。