定期テスト対策から、難関国公立大受験まで!吹田市佐井寺中・片山中・第二中エリアの個別指導は対話式学習館ホームズ!

エピソード3EPISODE #03

■ 実施例④ 中1男子 バスケ部 Dくん

お話をさせて頂く前に、少し想像してほしいことがございます。

毎日6時間もの間、全く知らない分野の専門的な話を、次から次へと聞かされ続けたらどうでしょうか。
周りを見れば、みな理解できているという顔。
分かっていないのは自分だけかもしれない…という不安をよそに、授業はどんどん進んでいく。突然指名されたと思えば、意味が分からない質問をされ、発言を促される。

…そう、学校生活です。

ここで気を付けていただきたいのが、ご自身の学生時代を「思い出す」のではなく、たとえば自分が、大学の量子力学の授業に放り込まれ、上記のような状態に陥ったことを「想像」して頂きたいのです。

ご想像いただけましたでしょうか。

勉強に全く気持ちが向かない、というお子さまは、毎日毎日、こんな思いをしているのかもしれません。
私が出会ったDくんも、そのうちの一人でした。
対話式学習館ホームズ チーフ・カトウの昔話に、少しだけお付き合いください。

「英語?無理。分からん。全部分からん。」

教育熱心な母親の勧めで、小学校5年生から近所の集団塾に行き始めたDくん。
初めは楽しく通っていたが、だんだん授業についていけなくなり、塾へ行く足取りが重くなりだしました。
仲のいい友だちと一緒なので、辛うじて辞めずに続けていましたが、宿題は完全放置。ほぼ2年間、全く宿題をしなかったそう。
塾の先生に怒られて、強制的に居残りをさせられても、なかなか改善はされませんでした。

そのまま中学校に上がり、塾で「中学内容の先取り」を行っていたにもかかわらず、最初の定期テストはボロボロ。
一度塾で先取りした内容でも、その時に「分からない」という印象がついてしまうと、学校の授業も耳に入らないのです。

どうしようもなくなった母親が、当時カトウが講師として勤務していた個別指導塾に体験授業を申し込んできました。
私が彼に初めて会ったのは、初回の体験授業の時です。

科目は、彼が一番苦手で「意味わからん、無理。」と一蹴した英語。
何が分からないかも分からない。とにかく全部分からない、と彼は諦めたように笑って言うのでした。

意図が分かれば、意味が分かる。

彼との会話の中で、目的が分からないままやらされることへの拒否反応と「どうせ授業を聞いたって分からない」という強い先入観が見えました。
そこで、敢えて学校の先生がやりそうな授業(カードを使ったり、発音したり)を、一つ一つ意図と目的を伝えながら行いました。

「何もかもわからない状態」に陥ってしまうと、指示内容もその意図も分からず、何も考えずに「作業」を行うだけになってしまいます。
それを、例えば「今からは、基本の形をおさえるための発音練習な。」「否定文をマスターするために、この問題を解くよ!」と一言添えてあげるだけで、行う動作の意図や目的を自分で意識して問題に取り組めるのです。
そして、意図通り目的が達成できた時には、めいいっぱい褒めることも忘れずに。
「できたかも?」という感触が、「できた!」に変わるのは、褒められ、承認された瞬間なのですから。

スモールステップでひとつひとつ褒めてあげるたび、照れたように笑う彼の顔は、とてもきらきらしていました。
そして、多めに準備していた演習用のプリントを「良かったら復習に使って」と差し出して、80分の体験授業を終えました。

「何が分からないか」の根本、「なぜ分からないか」を探る

体験授業終了後、おうちの方から電話があり、こう言われました。
「あの子が、家に帰ってすぐ、今日塾で習ったことを教えてくれたんです。そして、塾でもらったプリントを広げてやりだしたんです。家でまともに勉強している姿なんて久しぶりで…」

お母さまは、信じられない!といった様子でした。
授業をした私自身、にわかには信じられませんでした。
私が手渡したプリントは、宿題として渡したものではありません。
「よかったら復習に」と言って渡したものを、彼は自主的に行ってくれたのです。今まで2年間、全く宿題をしなかったという彼が。

「分からないこと」を教えるのは、教師にとって当たり前のことです。
しかし、何もかも分からない状態に陥って、勉強から逃げてしまっている時には「何が分からないか」だけでなく、「なぜ分からないか」まで踏み込まないといけません。
逆に言えば、その点を意識して接することが出来れば、学習に対する後ろ向きの姿勢を変えることができるのです。

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